株式会社レヴィ ブログ

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システム思考とシステムモデリングに関するワークショップを実施しました

2018年12月15日に開催された宇宙工学講座「システム思考とシステムモデリングを学べる実践ワークショップ」においてレヴィ代表の南部と共同創業者の三浦が、東京工業大学の坂本准教授と共にモデレータを務めました。この講座は日本機械学会宇宙工学部門が主催し、レヴィが協賛として参画しました。

ここでは当日の様子について写真を交えて報告します。実施概要についてはこちらをご覧下さい。

人工衛星システムを例題にして、システム思考を学ぶ

今回の講座には学生・社会人合わせて11名が参加し、レクチャーとグループワークを通してシステム思考の基本とその実践方法を学びました。グループワークでは「密漁船を監視する人工衛星システムの設計」を例題として取り上げました。人工衛星は複雑な機能システムの代表的なものであり、その設計開発にはシステム思考が必須です。

講座の冒頭ではまず、アイスブレイクを兼ねて「密漁船監視人工衛星システムに必要な要素を挙げる」というワークに取り組みました。ワークシートには、レヴィ共同創業者の吉澤が描いた人工衛星の水彩画を活用しています。

アイスブレイクを兼ねたグループワークの様子

システム思考とは何か?

講座の中のショートレクチャーでは「システムとは何か?」や「システム思考とは何か?」について確認しました。世の中にはシステム思考について解説する書籍や記事がたくさんあり、その定義にも様々なものがありますが、今回の講座ではシステム思考を次のように定義しました。

システム思考とは:モノゴトをシステムとして捉え、一般的なシステムの設計開発者と同じような考え方を適用することで、対象を適切に理解したり、設計したり、問題を解決したりすること

ここで「一般的なシステム」というのは人工衛星・コンピュータ・家電製品・スマートフォンなど、誰もがシステムだと認識しているものを指します。しかし、世の中にあるシステムはそれだけではありません。組織や企業は人を要素としたシステムです。また、建物や市民を要素として考えると、街や社会もシステムであるということができます。システムというのは捉え方であり、様々なモノゴトはシステムとして考えることができるのです。そして、一般的なシステムの設計開発において使われる優れた考え方や視点を活用してモノゴトを理解しましょうというのが、今回の講座で扱うシステム思考です。ショートレクチャーではその点を確認した上で、具体的なシステム思考の実践方法について解説しました。

ショートレクチャーの様子

システムモデリングを使ってシステム思考を実践

今回の講座では、システム思考を効果的に実践する方法の一つとして「システムモデリング」に焦点を宛ててグループワークを行いました。システムモデリングとは、対象とするシステムのある側面を、システムモデルという図を使って表現することです。システムモデルを用いることで、システムの全体像、システムの振る舞い、システムの物理的な構成など様々なことを分かりやすく表現することができます。

(左)システムモデルの例、(右)システムモデリングワークの様子

Balusをつかってシステムモデリング

講座の後半では、レヴィが提供するクラウド型設計支援ツールBalusを活用したシステムモデリングに取り組みました。Balusを用いることで、チームのメンバーがコミュニケーションしながら協働でシステムモデルを描くことができます。講座の参加者たちは持参したPCのブラウザからBalusを利用し、システムモデルの構築を体験しました。

(左)Balusを利用する参加者、(右)参加者が構築したモデルについて助言

参加者の声

3時間45分という長丁場の講座だったのにも関わらず、参加者の皆さんはレクチャーやグループワークに熱心に取り組み、活発な議論が行われました。どのグループも、例題として扱った密漁船監視人工衛星についてのシステムモデルを描き、それを活用することで設計を改善するなど、システム思考を実践することができました。和気あいあいとした雰囲気の中でシステム思考やシステムモデリングについて一緒に考えることができ、スタッフも含めて楽しく有意義な時間を過ごすことができました。

最後に、アンケートとして集めた参加者からの感想・メッセージの一部を紹介します。

  • システム思考というものに関して、何となく「そういうものがあるらしい」程度の理解しかしていなかったが、今回の講座でどういったものなのか理解できたように思う。普段の活動に利用していけたらと思う
  • システムモデリングについて多少はかじったことがあるのですが、割と抽象的でふわっと理解していた部分が、実経験を元にしたお話で理解を深められたと思います。
  • 個人的に非常に興味深い内容でした。SysMLの導入研修としてもクオリティが高く、またBalusも機能が充実しており、詳しく知りたいです。
  • 入社1年目でシステムエンジニアリングを勉強中ではありますが、同じテーブルの方々とお話することで、他者のシステムエンジニアリングの活用のお話をうかがえたり、Balusを使ってみることができたりして良かったです。私自身の能力を上げた上で、またこのようなセミナーに参加したいと思いました。