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European Space Week 2018 に参加してきました

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昨年 12月にフランス・マルセイユで開催された European Space Week 2018 に、南部、三浦、吉澤で参加してきました。レヴィの創業者は宇宙研の出身者なので学生時代はこういったイベントによく参加していたのですが、この 3人で海外の宇宙イベントに参加するのは久しぶりで、昔を思い出して少し懐かしい気持ちになりました*1

レヴィは日本の宇宙システム活用人材の育成にも携わっており*2、今回は EU の宇宙プログラムの状況とスタートアップの最新情報を調査することを目的として参加しました。

宇宙研出身のスタートアップとして OPUSAT*3 をはじめ、日本における超小型衛星開発やアントレプレナーシップ教育にも協力させていただきたいので、今回のカンファレンスで得た知見もぜひフィードバックしたいと思います。

European Space Week とは?

European Space Week は、欧州委員会と GSA*4 が毎年開催しているカンファレンスで、EU の宇宙分野における産学連携や起業支援を目的としています。

今年は CNES*5 の主催で、フランス・マルセイユのエクス=マルセイユ大学で開催されました。本会議では Galileo や Copernicus といった EU の宇宙プログラムの現状と、それらの産業応用とスタートアップの動きなどが紹介され、セッションではスマートシティやインターコネクティビティなどの分野に別れて議論されました。

カンファレンスの学び

今回の一番の学びは、EU が宇宙ハッカソン、インキュベーション、マーケティングサポート等のさまざまなプログラムを用意し、スタートアップを支援しているという現状を肌で感じられたことです。

フランスやドイツなど、昔から宇宙活動が盛んな国だけでなく、アゼルバイジャンギリシャなど多種多様な国が自国の課題解決に宇宙利用を拡大させようとしており、スタートアップが重要な役割を果たしていることに感銘を受けました。

カンファレンス自体にも多くのスタートアップ、投資家、専門家が集められており、ピッチコンテストやセッション等でそれぞれ新しい繋がりを作っていました。

多くの宇宙系スタートアップが立ち上がっているアメリカに対抗心を燃やしており、政府系機関が強く支援して、EU 圏内の宇宙スタートアップを立ち上げようと一丸となっているところに本気度を感じます。 ただし、失敗への許容やリスクマネーに対する不満は大きいようで、それに対する提案や提言があると、会場で拍手喝采が起きていたのが印象的でした。

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日本においても JAXA の衛星データの利活用が進み、さまざまな分野で事業が出てきましたが、宇宙スタートアップはまだ少ない状況です。 宇宙ベンチャー育成のための 1000億円規模の投資や、人材プラットホームの整備を進める「宇宙ベンチャー育成のための新たな支援パッケージ」にも期待したいところです。

宇宙ビジネスがサービス提供に重点が移り、宇宙システムを活用してビジネスを構築できる能力が重要になってきていますが、レヴィとしてシステム思考や仮説検証の提案で宇宙スタートアップに貢献していければと思っています。

詳しい内容についてはこちらのスライドにまとめたので、ぜひ合わせてご覧ください。

会場とマルセイユの様子

マルセイユいう街は非常に風光明媚なところです。また、カンファレンスの会場でも色々と面白いところがあったので、ここからは会場と街の様子を紹介してみたいと思います。

ファロ宮殿

ナポレオン 3世の時代に建てられたファロ宮殿が European Space Week 2018 の会場でした。

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その地下には 500人規模のホールがあり、こちらで本会議が行われました。 優雅な外観にも関わらずホールには最新の機材が設置されていました。

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その他にもファロ宮殿内に 3つのセッションルームが設けられ、どの会場も人でいっぱいになっていました。

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エキシビジョン

エキシビジョンでは ESA*6 が大型展示を行っており、イベントに対する期待を感じることができました。エキシビジョン会場にはクッションみたいな椅子がたくさん置いてあり、座ってパソコンを開くと、まるで宇宙空間で作業しているような、そんな気分にさせてくれました。

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また、さまざまなパートナー企業が展示を行っており、展示を見るだけでも Galileo や Copernicus などの成果を一通り把握することができました。

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コーヒーブレイク

マルセイユの旧港が一望できる素晴らしい展望の会場でコーヒーが用意されていました。レセプションでは、とても豪華な食事と飲み物が用意されていたので、日本の学会の感覚からすると驚きました。

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フランスの人は外でコーヒーを飲むのが本当に好きみたいで、コーヒーブレイクでも外に出ている人が結構いました。 確かに気分転換にはその方がいいのかもしれませんね。

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マルセイユ

マルセイユは治安が悪いという事前の情報だったのですが、それほど危険だという印象はありませんでした。ちょうどパリで抗議デモが過激になっていた時期だったのですが、僕らがいた時期のマルセイユではデモは見られず、小高い丘にノートルダム・ド・ラ・ガルド寺院が立つ美しい街でした。

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ブイヤベース

マルセイユと言えばブイヤベースだそうで、ホテルのコンシェルジュに予約してもらったレストラン「シェ・ミシェル」で本場のブイヤベースをいただきました。

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日本で食べるブイヤベースと違い、スープと具が別々に盛られて出てきて、3人のブイヤベースの概念が変わりました。スープはとても濃厚で、淡白な白身を付けて食べると絶品でした。

まとめ

フランスの古い港町であるマルセイユに最新の宇宙技術が対照的な、そんな感じのイベントでした。 EU の宇宙プログラムや宇宙スタートアップの動向、若い起業家の熱気を直に感じることができたのは良かったと思います。 本場のフランスパンもフレンチフライもとても美味しかったです。

*1:南部、三浦、吉澤の 3名は、かつて、JAXA 宇宙教育センターの仕事で 2009年度 第60回IACテジョン大会 に参加しました。

*2:文部科学省 地球観測技術調査研究委託事業 宇宙航空人材育成プログラム「超小型衛星開発とアントレプレナーシップ教育を通じた宇宙システム活用人材の育成」に共同参画機関として参加

*3:大阪府立大学 超小型衛星開発プロジェクト

*4:European GNSS Agency, 欧州航法衛星庁

*5:Centre national d'études spatiales, フランス国立宇宙研究センター

*6:European Space Agency, 欧州宇宙機関