株式会社レヴィ ブログ

システムデザインで価値を生み出す、株式会社レヴィの公式ブログです。

BalusをNASAに見せに行ったら、起業したくなった話

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NASAアメリカ航空宇宙局)を知らないという人はほとんどいないと思います。有人月面着陸を成し遂げたアポロ宇宙計画や130回以上の宇宙往還フライトを実現したスペースシャトル計画をはじめ、人類の宇宙開発を常にリードしてきた機関です。

レヴィが専門とするシステムデザインの方法論も、その源流はNASAが構築・整理したシステムズエンジニアリングにあります。レヴィブログに掲載している「サルでもわかるNASAシステム開発シリーズ」はいつも好評で、現時点で第7話まで発表しています(2020年7月29日時点)。

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実はレヴィの創業前に、メンバー一同が揃ってNASAを訪問したことがあります。2014年の春頃、NASAのエイムズリサーチセンターがあるシリコンバレーを訪れ、1週間ほど滞在しました。もう6年も前の話になりますが、今回はその時のことを思い出しながら紹介したいと思います。

なぜNASAに?

なぜ私達がNASAを訪問したかというと、Balus*1を売り込みに行ったのです。

当時は会社としてではなくて、有志が集まって本業の傍らで取り組む放課後プロジェクトのような形でBalusを開発したり、Balusを使ったワークショップを開催したりしていました。2014年の春は、Balusの最も基本的な機能が一通り出来上がったタイミングであり、これからいろいろなところで使ってもらおうと意気込んていた時期でした。

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当時のBalusの画面

実はこの頃のBalusは、主な用途として小型人工衛星の設計支援を想定していました。人工衛星と言えば宇宙開発です。宇宙開発と言えばNASAです。私達はまず真っ先にBalusを売り込む先として、NASAを選んだのです。

いざ、エイムズへ

さっそく私達(後のレヴィ創業メンバーとなる7人全員)はシリコンバレーに飛び、NASAエイムズリサーチセンターを訪れました。

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エイムズリサーチセンター内にある NARI(NASA Aeronautics Research Institute)の建物

訪問先は、NASAで超小型の人工衛星を開発しているチームです。彼らが開発中の人工衛星について簡単な説明を受けた後、Balusを紹介して実際に目の前で少し触ってもらいました。

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Balusを試用するNASAのエンジニア

売り込みの結果としては、あまりよい反応を得ることはできませんでした。 NASAのエンジニアたちは「面白いね」とは言ってくれたものの「使いたい」とまでは言ってくれませんでした。

私達は少し悔しい思いを抱きつつ、併設のミニミュージアムとギフトショップをしっかりと楽しんでから、NASAを後にしました。

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NASAのミニミュージアム&ギフトショップ

シリコンバレーの空気

NASAでは悔しい思いをしてしまいましたが、気を取り直してシリコンバレーのいろいろなところを訪問して周りました。

プラネット・ラボ

NASAの科学者によって創業された衛星ベンチャープラネット・ラボ(Planet Labs)社を訪問しました。プラネット・ラボは、多数の小型衛星のコンステレーションによって、地球観測画像を迅速に提供するという事業を行っています。

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当時は、「Dove」というプラネット・ラボが開発した小型衛星の打ち上げを控えている時期で、開発した衛星やビジネスについての話を聞かせてもらいました。オフィスの隣の部屋で衛星を開発していて、ベンチャーの楽しそうな空気を感じました。

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プラネット・ラボの創業者の一人のクリスは、なんと、レヴィのメンバーとは昔からの友人です(この時は残念ながら予定が合わず彼とは会えませんでした)。今やプラネット・ラボは、100基以上の衛星を運用する世界最大の衛星運用事業者の一つなのですが、以前からの知り合いが創業した会社だと思うと不思議な気持ちとともに、私達もクリスには負けてられないという気持ちになりました。

スタンフォード大学

スタンフォード大学d.schoolも見学してきました。

d.schoolは、「デザイン思考」という創造的な思考法を学ぶ場所として世界的に知られています。本質的な課題や価値創造について、改めて取り組んでいきたいという気持ちが高まりました。

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ホワイトボードや付箋の使い方、オフィスのDIYなど、レヴィが今でもd.schoolの影響を受けていると思うところはたくさんあります。

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Maker Faire Bay Area

サンマテオで開催されたものづくりのお祭りMaker Faire Bay Areaを見に行きました。

「とにかくものを作るんだ」というものすごいエネルギーを感じて、僕らも「作りたい!」と刺激を受けました。

一つ一つの細かい内容は忘れてしまいましたが、写真を見ると今でもMakerたちの熱気が感じられます。

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電子音楽に合わせてたまに火を出すタコのロボット

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手作り感溢れる段ボールのロボット(?)を着る人

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なぜかきゅうりを楽器にしている少年

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枯山水の砂紋を作るローバー

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Balusを体験したNASAの人とも再会!

あの有名企業にも

その他にも、GoogleApple の本社を訪問しました。写真だけ掲載します。

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Google 本社

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Google キャンパス内で打ち合わせ

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Apple 本社(移転前)

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謎のポーズ

起業を決意

シリコンバレーで見た景色や出会った人達は私達にたくさんの刺激を与えてくれました。 刺激を受けた私達は、ホテルの部屋で毎晩のように朝まで語り明かしました。

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「今後Balusをどうするべきか?」
「このままでいいのか?」

この時に起業することを決意したと言っていいでしょう。 日本に帰った私達は起業に向けて動き出し、2016年に株式会社レヴィとして創業することになりました。

いつかまた

以上が、私達が起業するきっかけとなったNASA訪問とシリコンバレー滞在の様子です。

あれから6年。まだ道半ばですが、宇宙開発から生まれたスタートアップとしてレヴィは精力的に活動しています。レヴィのビジネスが成功したあかつきには、生まれ変わったBalusをNASAに見せに行きたいと思っています。

levii.co.jp

*1:Balusは、レヴィが開発・提供しているシステム設計支援SaaSです。