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モデルで伝えるツール・ド・フランスの観方

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こんにちは、五十嵐です。

僕は夏より冬が好きなのですが、数少ない夏の楽しみの1つにツール・ド・フランスのオンライン観戦があります。 例年では7月初旬に開催され、ツール・ド・フランスが始まると「夏が来たな!」と感じるのですが、今年はコロナ禍のため2ヶ月遅れで先週からスタートしたのでちょっと季節感がズレたツール・ド・フランスとなっています。

ツール・ド・フランスはフランスで毎年開かれている世界最大の自転車ロードレースで、総勢約200人が23日間でおよそ3400kmを走破するという、とんでもなく過酷な競技です。 しかもコースによっては、約170kmを約4時間で走り切ったり、標高3000mを越えるピレネー山脈でアップダウンを繰り返すといったレースが展開されていきます。 そのような過酷なレースは観戦にハマるファンも多く、オリンピック、サッカーワールドカップに並んで、世界3大スポーツの祭典と言われ、190カ国で約20億人がテレビ観戦しているらしいです。

最近では、日本でもオンデマンドでライブ配信されているので簡単に観戦できるようになっており、僕も数年前に気軽に観始めました。 ただ、100年以上も歴史があるせいかルールやレギュレーションなどが多いうえに、チーム数(選手数)も多いので展開が複雑になりがちで、最初観方がわかりませんでした。 何回か観ていて、ようやくレース展開の型とレース以外の部分にも面白さがあることが分かってきたときには、すっかりハマってしまっていました。

この面白さを家族や友人にも知ってもらおうと思ったのですが、なかなか口頭では説明しづらく、上手く伝わりませんでした。 そこで、このようなある種の「暗黙知」を人に伝えるにはシステムモデルが適していると考え、ツール・ド・フランスの面白さやレース展開の型などをモデルに表現してそれを用いて伝えようと思いました。

今回は、作成したモデルをご紹介することで、皆さんにも少しでもツール・ド・フランス観戦の面白さが伝わればと思います。

観戦の面白さをモデルで表現

まず、ツール・ド・フランス観戦の面白さを整理してみます。 面白さと言っても様々な視点があり、それを表現するために今回はコンテキスト図を用いてみました。 「ツール・ド・フランス観戦」をある種のシステムと見立てて、その周りに僕が面白さと感じている要素を配置したところ、面白さの種類は大きく3つに分類することが分かってきました。

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ツール・ド・フランス観戦の面白さ

まず1つ目は、「自転車レース自体の面白さ」です。自転車レースは「路上のチェス」とも称されるくらいチーム間の駆け引きや戦略が重要な競技でもあります。そういったところに注目してくるとワクワク感を感じられます。他にも落車などのハプニングもあり、なかなか目が離せない部分も自転車レース自体の面白さと言えます。

次に、「番組としての面白さ」です。日本では J SPORTS が独占的にライブ中継しているのですが、その番組では正解者に景品が当たるクイズを出したり、現役選手や某自転車マンガの作者などがゲスト出演して結構勉強になる解説や小話をします。このように、初心者からリピーターまで飽きさせない番組構成も面白さの1つだと思います。 www.jsports.co.jp

最後に、「ツール・ド・フランス特有の面白さ」です。自転車レースは他にも多くの国や団体が開催していますが、ツール・ド・フランスでしか味わえない面白さもあります。ツール・ド・フランスのコースはフランス各地を巡る設定になっているのですが、中継の合間にフランスの美しい田園風景や荘厳なお城などの世界遺産などの空撮映像が流れたりして、かなり癒やされます。また、観客の中には、悪魔のコスプレをした名物おじさん(通称:悪魔おじさん)や、熱狂的過ぎて選手を追いかけてしまい警備に力ずくで止められるファンなど、クスッと笑ってしまうことも多くて楽しめます。 ちなみに、悪魔おじさんについてはこちらが詳しいです。 gaagle.jp

レース展開の型(よくある流れ)をモデルで表現

ここまでの説明でも、ツール・ド・フランス観戦についてだいぶ興味を持ってもらえたはずです。この勢いで、モデル化したレース展開の流れについても説明していきます。

流れを説明するときはアクティビティ図が便利なので、レース展開の全体の流れをアクティビティ図で表現してみました。

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レース展開全体の流れ

全体表示だとモデルが見づらいので、レース展開の大きな流れを「スタート〜序盤」、「中盤〜終盤」、「ゴール前争い」の3つに分けて説明します。

まず「スタート〜序盤」ですが、スタート時点でいきなり、初見の人には??な展開が待っています。他の競技では一般的にスタートはスタート地点からヨーイドン!で開始すると思いますが、自転車レースでは、スタート地点から実際の競技開始地点までに一定の距離が設定されている場合があります。その場合は、最初は審判車に先導されてゆっくり走り、その後審判車からの合図によって実際のレースが始まります(アクチュアルスタート)。このルールを知らないと、「みんな走ってるから始まってそうだけど、なんかお喋りしていたり飲み食いしたりしてて、ナニコレ?」的な感じになりがちです。 しかし、その後実際にレースが始まると、いきなり動きが活発になります。逃げ切りゴールに可能性を賭けた選手達(通常は数人)が前に飛び出し「逃げ」という集まりを形成します。一方で、残された選手たちは百数十人の大集団(メイン集団とかプロトンとか言います)を形成します。

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「スタート〜序盤」の展開

「中盤〜終盤」はこの「逃げ」と「メイン集団」の2グループの中でレースが展開していきます。 基本的に「逃げ」は、ゴールまでにいくつか設けられた中間ポイントを我先にと通過していきます。(中間ポイントの通過順でボーナス点数が付与され、表彰されたりその後のレースが優位になったりする) 一方、「メイン集団」は人数が多いので風の影響を受けにくく、体力を温存しながら終盤に向けて良い位置どりやペース配分をしながら走っていきます。 そして、そのうち結局「逃げ」は「メイン集団」に吸収されてしまいます。(たまに、「逃げ」が調子良かったり戦略が良かったりすると、そのまま逃げ切る場合もあります)

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「中盤〜終盤」の展開

いよいよ残り1kmくらいになると、クライマックスの「ゴール前争い」に突入していきます。各チームが、エース級の選手や最後の追い上げに爆発力がある選手(スプリンター)を前に送り出すのですが、この時1人を送り出すために残りのメンバーが風よけになったりしてアシストする姿はまさにチームスポーツだなと感じます。そして送り出された選手同士の激しい闘いの末、ときには数センチの差で勝者が決まります。

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「ゴール前争い」の展開

と、このような流れがよくあるレース展開となります。 ちょっと説明が長くなってしまったのですが、この流れをイメージしたうえで実際に観戦してみてると、初めての方でも楽しめると思います。

まとめ

今回はツール・ド・フランス観方として、モデルを使って観戦の面白さを整理したり、レース展開の流れを表現してみました。 実際にこのモデルを用いて自分の家族に説明したところ、非常に興味を持ってくれ、今は一緒に観戦しています。

このように、なかなか口頭では説明しにくいことでもモデルを使えば伝えやすくなります。みなさんも、誰かに何かを説明したいときになかなか伝わりにくいと感じた場合は、システムデザイン的な考えをしてみてはいかがでしょうか?。 レヴィのブログでは、他にも身近なものをモデルで表現してみた例をご紹介していますので、是非ご覧ください。

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