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コンテキストモデルを描く8つのコツ【システムモデル入門ガイド】

今回は、システムの上流設計において重要となる「コンテキストモデル」について、8つの描き方のコツをご紹介します。 上流設計の段階でシステムの全体像をしっかりと定めて、手戻りのない開発を実現したいという方にオススメの内容です。

コンテキストモデルの基本的な考え方、用語、使い方については無料ダウンロード資料にもまとまっていますので、是非こちらもご活用ください。

コンテキストモデルとは何か?

コンテキストモデルとは、システムと外部要素との関係性を表現したモデルであり、システムの全体像を考えるために大事なモデルです。

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コンテキストモデルの例

どのような文脈で使われるかによって、システムの姿は大きく変わります。

・誰が使うのか?

・何と連携するのか?

・どんな環境で使われるのか?

これを明らかにしてチーム内で共通認識をもてるようになることで、手戻りのない開発を実現することができます。

コンテキストモデルを描く意義

たとえば、「持ち運びできるコンピューター」の開発を例にあげてみましょう。 このとき、利用される場所がオフィスなのか、建築現場なのかによって求められるデザインや性能が大きく変わってきます。コンテキストモデルを活用することで、このような分脈を明らかにして認識をあわせることが容易になります。

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分脈によって、求められるデザインや性能は大きく変わる

コンテキストモデルを描くことで、次の3つのことが可能になります。

①システムと相互作用を持つ外部の要素を明らかにする

  • ステークホルダ
  • 連携システム
  • 環境・法規制など

②システムの境界を明らかにする

  • どこまでが着目するシステムに含まれるのか?
  • どこまでが着目するシステムの責務なのか?

③システムの全体像について認識を合わせる

コンテキストモデルの描き方

コンテキストモデルを構成する要素には、「ノード」「リンク」の2つがあります。 f:id:etu619:20220327203213p:plain

例として、「民泊プラットフォームサービス」のコンテキストモデルをみてみましょう。

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「民泊プラットフォームサービス」のコンテキストモデルの例では、

  • 中央の緑の四角が今回の設計の中心となるサブジェクト(民泊プラットフォーム)です。

  • その周りにオレンジ色の四角で関係性を持つ要素であるコンテキストエレメント(ホスト、ゲスト、清掃代行会社など)を描きます。

  • さらに、矢印のリンクで関係性(宿の予約、決済や予約の管理など)を記載しています。

まとめると、コンテキストモデルの基本的な描き方の手順は以下の3つです。

<コンテキストモデルの描き方の手順>

1. サブジェクトを設定する

2. コンテキストエレメントを洗い出す

3. 相互作用を記述する

コンテキストモデルの描き方について詳しくは以下の無料ダウンロード資料にまとまっていますので、こちらもご活用ください。

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コンテキストモデルを描く8つのコツ

モデルを描くにあたっては、こういう手順で進めれば必ずいいモデルができる、という唯一の方法はありません。対象システムや参加するメンバーなど、様々な条件によってやるべきこと、考えるべきことは変わってきます。そのため、初めてモデルを描くと「難しい」と感じるかもしれませんが、拠り所となるいくつかの「コツ」があります。

ここでは、私達の経験から見えてきた「モデルを描くコツ」を8つ紹介します

①名前を与える

最初は対象システムそのものが曖昧なことはよくあります。「何と呼べばいいか分からない」そんな時はとりあえず仮に分かりやすい名前を付けてみましょう。名前を与えるとそのものについての議論ができるようになります。 f:id:etu619:20220327204230p:plain

②要素になるのは、人だけじゃない

対象システムと関係性を持つ要素は、何もそれを使う人だけではありません。他のシステムや環境要素、社会的要素はついつい忘れがちですがとても重要なので、忘れてないかチェックしましょう。 f:id:etu619:20220327204410p:plain

③思い切って具体的にしてみる

最初から完成度の高いモデルを描くことを気にし過ぎると、実際のモノゴトと解離してしまうことがあります。思い切って具体的な方に振ってみると、意見を引き出したり、抜け漏れを防いだりできます。 f:id:etu619:20220327204636p:plain

④なぜ描くのか?をあらためて考える

モデルの描き方のルールやアイデア出しに集中すると「なぜ描くのか」を忘れがちです。なぜこのモデルを描くのかを意識すると「何が足りないか」「どこを深掘りすべきか」などがわかってきます。 f:id:etu619:20220327205112p:plain

【ヒント】コンテキストモデルを描く3つの意義

  • 外部要素を明らかにする
  • システムの境界や責務を明らかにする
  • システムの全体像をはっきりとさせる

⑤システムの中か、外かを考える

どこまでがシステムの中か、どこからがシステムの外か、について議論しましょう。対象システムの境界や責務がだんだんとはっきりしてきます。 f:id:etu619:20220327205342p:plain

⑥システムを黒い箱として見る

システムを中が見えない黒い箱として見てみましょう。システムの中を考えないことで逆に見えてくるものがあります。 f:id:etu619:20220327205525p:plain

⑦システムの価値を考える

システムが提供する価値について考えて、価値と直結する内容を表現することをいつも心がけましょう。必ずしも対象システムの入出力について記入する必要はありませんが、価値に関係するならば詳しく記述してもいいでしょう。 f:id:etu619:20220327210012p:plain

⑧ライフサイクルを考える

「自転車」について考えると、自転車に乗っている場面を想像すると思います。しかし、駐輪場に置いてある自転車を考えることも必要です。このようにシステムのライフサイクルを考えてモデルにします。場合によってはモデルを分けて描いてもいいでしょう。 f:id:etu619:20220327210239p:plain

まとめ

この記事では、システムの上流設計において重要となる「コンテキストモデル」の基本と、8つの描き方のコツをご紹介しました。

コンテキストモデルの描き方について詳しい内容や、その基礎となる考え方である「システムモデル」の詳細については無料のガイドブックにまとめています。以下からダウンロードできますので、ぜひあわせてご覧ください。

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