こんにちは、レヴィメンバーの安達です。 いつもBalusをご利用いただきありがとうございます。 今日はBalusをより効果的・効率的に活用いただくための”KATA”をご紹介します。
■KATAとは?(定義)
KATAとは、「特定のユースケースにおいて未来型システム思考を簡単・確実に実践することのできるショートカット」を指します。
”未来型システム思考”とは、システム思考と対話・協調によって価値を創造することのできる考え方のことを指します。 複雑で不確実性の高い現代/未来社会において活躍する人材に必要な能力としてレヴィが提案しています。
今回は”KATA”がどのようなものかをご理解いただくために、「現状分析」を例に説明します。
■もしKATAがなければ
Balusを使って、現状分析を行うこととします。
Balusにアクセスし、「現状分析」と命名した真っ白なビュー空間に、確認できた事実情報を記述した付箋を一つひとつ置きながら現状分析結果を作成していくことになります。
さて、何に着目し、どのように現状を調べ、結果をまとめていくとよいのでしょうか?
現状分析に慣れていない人は、関係者のみなさんにヒアリングするにしても何を聴いていけばよいのかがわからず、思いついた質問に対する回答を付箋に書きこみ、その断片から判明したことをまとめていく、、、、
それなりに情報量もあるのでそれっぽい結果には見えるかもしれません。
しかし、まとめてみたものの「これで必要な分析が漏れなくできたと言えるのか?」という不安がぬぐい切れない・・・。
そして有識者レビューでしどろもどろになり、関係者のみなさんに説明しても反応がイマイチ。。。
それらを何とかやり過ごしたとしても、その先の開発過程で「見えていなかった利害関係者の存在が明らかに!」「そこには未認識だった根本的な問題も!」「新システムの機能を大きく見直す必要が発生!」なんて事態にもなりかねません。
■KATAの使い方
そんなことにならないようにKATAを活用します。 今回は「現状分析KATA」でKATAがどのようなものかを説明します。
現状分析KATAは、Leviiメンバーが現状分析を実践する際の進め方・思考方法・結果表現の典型的なパターンをまとめたものです。
KATA MAP(説明は後述)から「現状分析KATA」にアクセスし、ビューモデルをコピペして現状分析をスタートします。
- まずはコンテキストモデルを作成。
- 次に業務フローモデルを作成。
- 作成した2つのモデル間の整合を調整。
- モデル毎に各要素や要素間に存在する問題や課題を洗い出す。
→問題、課題が存在する箇所に個別に付箋(紫色)で示す。 分析の進め方や表現方法がわからないときは”使い方(要約・詳細)”や”活用事例”を見ながら実践することもできます。
■KATAの構成要素と効果
このように現状分析KATAには、
- 現状分析をどのような側面で進めたらよいのか?:利害関係者との関係性+業務の流れ
- それぞれの側面をどのようなモデルにするといいのか?:コンテキストモデルと業務フロー
- どのように問題点を抽出して表せばよいのか?:モデルに表した内容を個別に確認して存在している問題、課題を抽出
等が内包されています。 KATAに沿って現状分析を進めることで、効率的に大事なポイントをおさえた分析を進めることができます。
■KATAの構成要素とKATA開発裏話
KATAを構成する要素(含まれる要素)にはさまざまなものがあります。
- テンプレート(必要なビューのセット)
- 活用事例
- 実践サンプル動画
- KATAでできること
- よくある課題と解決
- 使い方(要約・詳細)
- FAQ
- 一緒に使うと効果的な KATA
- リリース履歴
当初はすべてのKATAにこれらの要素を取り揃えて提供する予定でした。 しかし手始めに「現状分析KATA」を構築してみると、その構築に費やす労力と期間が大きくなり、たくさんあるKATAを取り揃えるまでにいつまでかかるかわからないことが判明。
これら要素を取り揃えてからKATAとしてリリースするのは理想だけど、もし要素の一部であっても実務の役に立つのであればそれを使ってもらい、利用者のみなさんからのフィードバックでブラッシュアップしていく方がいいよね、という判断でこのたびKATA MAPを通じてKATAを活用可能な状態としました。
■KATAの種類とKATA MAP
今回は現状分析KATAをご紹介しましたが、他にも実務で実践するさまざまなユースケースに対応するKATAが用意されています。(2023.1.31現在 56種類) https://balus.app/view-models/0lAuNmRFAw93VbiDxpB99
たくさんの種類のKATAが存在するため、KATAを4つの領域に分類して全体像として示し、そこから利用したいKATAを探し当てやすくすることにしました。
その名称を”KATA MAP”と呼びます。
利用者がこれから着手するタスクの内容により、KATA MAPから該当のKATAをコピペしてご利用いただけます。
例えば、[普段使い]領域には、Balusの操作を学ぶ際に使用する「Balus基本操作テンプレート」や、ふりかえり時に使用する「KPTふりかえりテンプレート」「YWTふりかえりテンプレート」、定例・随時ミーティングで使用する「ミーティングテンプレート」などがあります。
また、[ものづくり/システムエンジニアリング]領域には、上記でご紹介した「現状分析KATA」や、ソフトウェア設計時に使用する「ソフトウェア上流設計システミングKATA」、DX実践時に参考となる「Balusが導いたDXへのチャレンジ(Blog)」などがあります。
今後もLeviiメンバーの実務実践を通じてさらに新しいKATAを構築し、KATA MAPに登録していきます。
■KATA運営の未来像
KATAは現時点で、日々未来型システム思考を実践して業務を進めているLeviiメンバーの実務実例を中心に構築しています。
しかし最終的には、Balusを活用するすべての方たちのよりよい実践方法をKATAとして登録してもらい、みんなで活用できるようになることを目指していければと考えています。
■おわりに
今回はBalusをより効果的・効率的に活用するための情報源”KATA”についてお知らせしました。
今後は、特徴的なKATAを個別に取り上げたり、たくさんの利用者に活用されている人気のKATAなどを紹介していく予定です。 続報をお楽しみに!