最近レヴィでは、電子回路設計業界にシステムデザインとクラウドツールBalusを広めるべく、積極的に活動しています。
5月には、「リモート時代の回路設計 ~モジュール化でビジネスチャンスを掴む~」と題して、オンラインセミナーも実施しました。
本稿では、電子回路のシステムデザインにおけるBalus の活用方法についてご紹介します。
モジュール化設計やシステムデザインを実践する上での課題
電子回路設計の業務効率化や業務改善のためには、データの一元管理やコミュニケーションの履歴管理が欠かせません。
一方で、
- データの管理が個人ルールになっており、全体管理ができていない
- コミュニケーションが分散しており、履歴を追うことが難しい
といった課題をお持ちの企業は多いようです。
また、回路図やアートワークのためのCADは持っていても、コンテキストや機能といった概念を扱える設計支援ツールについては、未導入の企業がほとんどです。
実際にリモートでの働き方やモジュール化設計を実践するには、システムデザインの考え方を理解するだけでなく、上記の様な課題をツールによって解決することも必要です。
そこで、役に立つクラウドツールがBalusです。
設計情報と履歴の管理
Balusでは、電子回路の設計案件をプロジェクトとして管理することができます。 下図のような電子回路設計のプロセスをアクションとして登録することで、各プロセスに関連するデータやコミュニケーションの履歴を一元的に管理することができます。
設計工程に紐付けてデータを残すことができるため、ある工程の成果物がどのデータなのかを即座に見つけることができます。
また、普段メールで行っているようなやりとりをBalusのタイムライン(チャット形式のコメント)で行うことで、設計工程と指摘事項や確認事項との関係性が明確になり、どのような経緯で設計変更が行ったのかなどの履歴を見返しやすい形で残すことができます。
例えば、レイアウト設計の際の検図に関するやり取りの履歴などが自然と残るようになります。
システムモデリング
システムデザインにおいて、システムモデリングは強力なツールです。
Baulsでは、様々なモデルを手軽に作成し、チームのメンバーに共有することができます。
電子回路設計の場合、コンテキスト、運用シナリオ、機能という視点を扱うことが重要になります。
コンテキストは、システムがどのようなステークホルダに価値を提供し、どのような環境上の制約を受けるのかを理解するためのビューで、コンテキストモデルというシステムモデルを使って表現します。 中心に対象とするシステム(今回の場合はドライブレコーダー)を配置し、周囲にステークホルダやシステムの運用環境などを配置し、関係性を記述します。
「運用シナリオ」は、箇条書きで済むケースが多いですが、アクティビティモデルを用いてフローチャートのように表現することもできます。 運用シナリオを満たすためにシステムがやるべきことに着目するビューである「機能」についても、アクティビティモデルで表現します。
Balusでは、モデルに関するコミュニケーションを直接モデル上で行うことができます。 システムモデルのノードやリンクを引用してコメントを投稿し、設計に対するディスカッションを行うことができるのは、他のモデリングツールにはないBalusの特徴です。
電子回路のモジュール化設計では、熟練技術者の頭の中にある様々なノウハウを引き出すことが重要になります。
モデリングとコミュニケーションの機能がシームレスにつながっているBalusは、熟練技術者の暗黙知を引き出す最適なツールです。
例えば、Balus上で回路ブロック図を描き、モデルをベースに熟練技術者とディスカッションし、そのやりとりをモデルにコメントとして残していくということを繰り返せば、ノウハウの形式知化(ナレッジ化)と人材育成を同時に行うことが出来ます。
おわりに
新型コロナウイルス対策をきっかけに、多くの企業がリモートワークなどの新しい働き方を導入しています。
関係者が同じ場所にいて、分からないことをすぐに聞くことができたり、社内の情報にアクセスできる環境を前提とした働き方から、場所もバラバラ、働く時間もバラバラという環境を前提とした働き方に変わっていく必要が出てきています。
クラウドツールであるBalusは、そのような新しい働き方に適したツールです。
Balusにご興味・ご関心のある方はお気軽にお問い合わせ下さい。