3月初週に開催された第84回情報処理学会全国大会にて、レヴィの取り組みに関連する発表を行いました。
内容は中海テレビ放送様の事例に基づいたものです。発表にあたってご協力頂いた中海テレビ放送様にあらためて感謝を申し上げます。ありがとうございました。
口頭の補足がないとわかりづらいところがあるかもしれませんが、発表スライドを公開しますので、気になる方はご覧下さい。本記事冒頭の埋め込みスライドまたはこちらからご覧になることができます。
質疑応答
発表に対していくつかコメントを頂きました。回答をあわせてここに掲載致します。
Q.とても有用そうで、良いなと思いました。しかしツールだけで実現できることではなく、レヴィさんのファシリテーションのようなものが必要なのではないかと想像できます。そのあたりのことについて教えて下さい。
A. おっしゃる通りで、今回紹介した内容はレヴィ側のファシリテーションが前提となっています。ただ、ファシリテータが1名がいれば、後は特別な訓練や学習を経ていない人でもモデリングに巻き込むことができるというところまでは来ています。今回紹介した例では、中海テレビ放送様の担当者やオペレータが該当します。レヴィが担っているモデリングのファシリテーションの部分については武術で言うところの型(KATA)のような形のものができないかと考えていて、その整理にトライしているところです。テンプレート以上アプリ未満という形でBalusに実装することを目指していて、それができた暁には、Balusを使えば誰でも対話型のモデリングができるという状態まで狙っていきたいと考えています。
Q.途中で紹介のあったシステミングの本を読めば、ファシリテーションができたりしますか?
A. システミングガイドブックに記載してある事柄を読んで頂ければ、レヴィがやっていること/提案していることのコンセプトを理解して頂けると思いますが、それだけでは多くのユーザにとって独力で対話型モデリングをファシリテーションするには不十分だと考えています。具体的な対象システムや問題の状況に応じて適切なビューのセットやファシリテーション方法を選ぶ必要があり、そこについては前述のKATAという形で形式知化することにトライしています。
Q.宇宙システムの設計でも対話型モデリングにトライしていると言っていたが、そちらは形式化みたいなところがもっときっちりしていて、雰囲気やノリが違うのでは?と感じました。
A. 確かに、宇宙システムの設計では形式化やプロセスに厳密性が求められる場面が多いです。しかし、上流設計における合意という場面では今回提案したような手法が有効であるし、これからの宇宙開発にとって必要になってくるのではないかと考えています。最近、SpaceXなどの例をはじめ、ビジネスとしての宇宙開発が台頭してきています。そのような世界では、宇宙開発にも事業開発やサービス開発としての側面が出てきて、上流設計における適切なニーズの抽出や様々なステークホルダとの対話・合意が重要になってくると思っています。そこで、今回紹介したような内容を宇宙開発のような場面にも取り入れることにトライしています。
より深く知りたい方は
下記の中海テレビ放送様導入事例の紹介ページや、システミングガイドブックなどをご覧下さい。