こんにちは、吉澤です。
今年も残すところあと1ヶ月半となりましたね。年末になると聴きたくなる落語と言えば「芝浜」。人情噺としてとても人気のある古典落語です。
以前書いた「怖い話をモデルで表現してみた」はとても好評だったので、今回は芝浜を題材として「モデルで表現してみた」をやってみようと思います。
芝浜のモデル
まずは登場人物です。芝浜は魚屋の勝五郎とその女房の話だということがわかります。
そして、話の中で起きる出来事を時系列で表現したものがこちらです。芝浜を一度も聴いたことがない人がこのモデルを見ると「一体どこが面白いの?」となるでしょうが、今回はそれは置いておきます。
なんとなく話の全体の構造が掴めると思います。ざっくりと次の3つのパートに分けて表現しています。
① 大金が入った財布を拾って浮かれる勝五郎
② これではいけないと心を入れ替える勝五郎
③ 女房が財布の件を告白する + サゲ
感想
③で初めて女房が財布の件を告白するという構成のため、実際に落語を聴く人は「後でわかる事実」を勝五郎と一緒に知ることになります。話としてはそこがポイントになるのですが、こうやってモデルで表現してみると、初めからすべてわかっていてとても味気ない代わりに、とてもシンプルに話の構造を把握することができます。
これに噺家さんの「芝浜の情景描写」や「勝五郎・女房の人物造形」などが加わって感情移入できるようになるのですね。
まとめ
モデルという表現方法は落語ととても縁遠いのですが、話の全体像・構造を把握するのには役立つのではないでしょうか。ぜひ今年の年末は芝浜を聴いてみてはいかがでしょうか。